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39話 「冒険者ごっこ」と、騎士団長への直談判

Author: みみっく
last update Huling Na-update: 2025-11-24 06:00:11

 ……あぁ、それか。それがレベルが上がってる原因じゃん。行動をともにして、魔物の討伐でレベルアップか……なるほどねぇ……。レイニーは、納得の声を漏らした。

「レイニー様……私を使ってレベルアップをしようとしてませんか……?」

 あーちゃんの声が、レイニーの頭の中に響いてきた。その声には、呆れと、わずかな警戒が混じっている。

「えへへっ♪ バレちゃったぁ〜?」

 レイニーは、悪びれる様子もなく、心の中で笑った。

「この体で、戦闘をしろと? ムリですよっ」

 あーちゃんは、心底嫌だというように、ため息をつくのが分かった。

「あーちゃん、擬態でも強いじゃん? たぶん……悪魔だし、不死だよねぇ〜? ンフフ……♪」

 レイニーの笑顔には、どこか悪魔じみた響きがあった。

「イヤですよ……面倒くさい……。それにレイニー様は、外出を許してくれないと思いますけどね〜」

 あーちゃんは、断固として拒否の姿勢を示した。その声には、心底面倒だと感じている感情が滲み出ている。

 レイニーがあーちゃんを見つめ、ニヤッと笑うと、あーちゃんは察したらしく、大きなため息をついた。その息は、肩に乗るあーちゃんの小さな体を通して、レイニーに伝わってきた。

 そんなあーちゃんを無視して、エリゼに話しかけた。

「それじゃ〜冒険者ごっこをしに山に行こうか〜?」

 レイニーは、エリゼを見つめ、ニコッと笑いかけた。その瞳には、新しい遊びを思いついた子供のような輝きがある。

「え? ダメですよぉ〜。絶対に怒られちゃいますよっ。それに、お父さんが許してくれるわけないじゃないですかー」

 エリゼは、レイニーの提案に否定の言葉を返すが、その表情には、ほんの少しの期待が宿っていた。瞳の奥には、冒険への微かな憧れが見て取れる。

 さーて、なんて言って外出の許可をもらおうかな〜? レイニーは、腕を組み、真剣な顔で考え始めた。山で冒険者ごっこをしたいと正直にいうか……? でも、魔物が出るからダメだと言うかな? 盗賊も出るかもだし……。レイニーは、セリオスを説得するための口実を探し始めた。

♢冒険者ごっこ?

 セリオスには、正直に話して相談するか……。レイニーは、そう心に決めた。

 前回と同じように、観覧席から出て訓練場に入り、きつい訓練を始めていたセリオスに大きく手を振った。その姿は、まるで昔からの友人に呼びかけるかのようだ。セリオスのお付きの兵が気づき、セリオスに声を掛けると、セリオスが訓練を投げ出してレイニーの元へ駆けつけてくれた。その足取りは、普段の厳格な訓練からは想像もつかないほど軽やかだ。

 セリオスは騎士団長になっても鍛えているため、息を切らすことも汗をかくこともなく、結構な距離を走ってきた。お付の兵はまだ半分の場所にいた。セリオスの鍛え抜かれた肉体と精神が、その行動から見て取れる。

「あのね、暇なんだよね〜。エリゼと山に冒険者ごっこをしに行きたいんだけど……ダメかなー?」

 レイニーは、可愛く首を傾げて聞いてみた。この後の返事も想像できているので問題ない。セリオスがどんな反応をするか、レイニーは内心で楽しみにしていた。

「前回のことがありますし……許可は、できませんね」

 セリオスは眉をひそめ、目を逸らした。想像した通りの反応と返事をされた。その声には、わずかな困惑と、それでもレイニーを案じる気持ちが滲んでいる。

 前回の問題点は、俺が動かずに状況を楽しんじゃったことが問題なんだよね。大人しく拐われちゃったし……逃げ出すこともしなかったし。レイニーは、当時の自分の行動を思い出し、少しばかり反省した。

「前回は、ちょっとオオゴトになっちゃって困らせちゃったけどさ。今回は、大丈夫だよっ! 盗賊や魔物が出ても俺が責任をもって倒すからさっ♪ それが目的だし〜」

 レイニーは、ニコっと笑い、自信満々に言った。その瞳には、冒険への強い意欲が宿っている。

 セリオスがため息を付き、エリゼを見つめた。その視線には、レイニーへの諦めと、エリゼへの信頼が混じっている。

「エリゼ、お父さんの通った道を覚えているな? 道を逸れることなく案内をして差し上げなさい。それと、レイニー様の言う事を聞くんだぞ」

「はい。わかったー!」

 エリゼが頷き、元気に返事を返した。その声は、冒険への期待に満ちている。

「レイニー様、日没前までには戻ってきて下さいね……」

 セリオスが困った表情をしていたが、どことなく嬉しそうな表情も混ざっている感じがした。その声には、レイニーの成長への期待と、それでも心配する親心が感じられる。

「はーい。りょうかいでーす♪」

 レイニーも、エリゼと同じように元気に返事をした。その声は、弾むような喜びを伝えている。

 レイニーのお付が、セリオスの許可を得ていることを門兵に説明してくれると、問題なく城の外へ出れた。門をくぐる時の風が、レイニーの頬を心地よく撫でた。

「さっ。エリゼ、山まで案内を頼むよ〜」

 また、王城の外へ出てこれるなんてな〜♪ レイニーの心は、自由への喜びに満ちていた。

「うん。任せてっ♪ こっち、こっち〜」

 エリゼが、張り切って案内をしてくれた。その小さな手は、しっかりとレイニーの服を掴んでいる。

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